株式に譲渡制限を付ける定款変更手続き

会社にとって好ましくない者が株主になることを回避するために、当社が発行する株式の全てに譲渡制限をつけたいと考えているのですが、どのような手続きをとる必要がありますか。

定款変更

会社が、発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について会社の承認を要する旨を定款変更により定めるためには、議決権を行使できる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合には、その割合以上)であって、当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合には、その割合)以上にあたる多数の賛成が必要となります(会社法309条3項1号)。

株主への通知・公告

会社は、定款変更の効力発生日の20日までに、株主に対して、その定款変更を行う旨を通知するか(会社法116条3項)、これを公告しなければなりません(会社法116条4項)。これは、株主に対して、株式買取請求の機会を与えるために設けられた規定です(株式買取請求については後述します。)。

株券発行会社の場合の対応

譲渡による株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めた場合には、その旨の記載をすることが求められます(会社法216条3号)。会社としては、かかる対応をするために、株式の譲渡制限が効力を生じる日までに株券を提出しなければならない旨を、効力発生日の1ヶ月前までに公告するとともに通知しなければなりません(会社法219条1項1号)。

株式の譲渡制限に関する規定の登記

定款変更により譲渡制限に関する規定を設けた場合には、変更が生じた日から2週間以内に変更の登記をする必要があります(会社法915条1項、911条3項7号)。

執筆者

幡田宏樹のアバター 幡田宏樹 弁護士・公認会計士

取扱分野
企業法務/非上場株式の売却/支配権問題/相続(遺産分割・遺留分・遺言)/不動産(共有物分割請求・明渡対応・借地非訟)/民事案件一般


虎ノ門パートナーズ法律事務所の特徴

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