譲渡承認請求を受けた場合の留意点

株主から譲渡制限株式の譲渡承認請求を受けました。譲渡を不承認とする場合には、会社もしくは指定買取人が株式を買い取ることを請求もされていました。会社としては、譲渡を不承認としたうえで、会社で株式を買い取りたいと考えていますがどのような点に留意する必要がありますか。

供託の必要性

会社または指定買取人が株式を買い取る場合には、1株当たり純資産額に株式数を乗じた金額を供託しなければなりません。供託額の算式は、純資産を基準として定められますので、固定資産などの割合が大きく流動資産が少ない会社の場合には、供託に必要な資金の確保ができない可能性もあります。このような場合、会社としては供託に必要な資金の確保という観点にも注意をする必要があります。

財源規制の存在

会社が株式を買い取る場合、株式の売買価格は、効力発生日の分配可能額を超えてはならないとされています。分配可能額を超える株式の取得の効力について議論はありますが、譲渡不承認の手続に疑義が生じる可能性もあり得ます。そのため、分配可能額が十分にない場合には、株式の全部または一部について指定買取人を指定して株式の買い取りを行うなどの検討が必要になります。

執筆者

幡田宏樹のアバター 幡田宏樹 弁護士・公認会計士

取扱分野
企業法務/非上場株式の売却/支配権問題/相続(遺産分割・遺留分・遺言)/不動産(共有物分割請求・明渡対応・借地非訟)/民事案件一般


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