相続人等に対する売渡請求手続き

会社の株主が亡くなり、相続人と株式の買取について協議してきましたが、うまく協議が成立しませんでした。会社としては、相続人が株主になることは認めたくないので売渡請求をしたいのですがどのような手続きを行う必要がありますか。

株主総会の特別決議

相続人等に対し売渡請求を行うためには、取得の都度、売渡請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては株式の種類及び種類ごとの数)、当該株式を有する者の氏名又は名称を株主総会の特別決議によって定める必要があります。

売渡請求をする株式の数

会社法175条1項1号の文言は、「株式の数」を定めることを求めていますので、相続人等が保有する株式の一部について買取ができることを前提としています。

株式を有する者の氏名又は名称

相続により複数の相続人が株式を相続した場合、被相続人の遺言などがなければ遺産分割がなされるまでは、株式は相続人全員の共有状態にあるため、株式の取得者としては、法定相続人全員を対象にする必要があると解されます。

売渡請求の相手方の議決権

相続人等に対し売渡請求を行うための株主総会において、売渡請求の相手方となる株主は議決権を行使することができません。しかし、議決権を排除される株主も株主総会において意見を述べる権利等を有すると解されていますので、当該株主に対しても株主総会の招集手続きを行う必要があります。

相続人等に対する売渡請求

会社は、相続人等に対し、取得する株式の数を明らかにしたうえで株式を売渡すように請求することができます。この請求は、形成権の行使と捉えられ会社の請求により当該株主等と売買契約が成立すると解されています。

売買価格の決定

相続人等に対する売渡請求がなされた場合、株式の売買価格については当事者間の協議によって定めることとなりますが、協議が整わない場合には裁判所に対して売買価格の決定の申立てをすることができます。ただし、売渡請求があった日から20日以内に、当事者間の協議も整わず裁判所への売買価格の決定の申立てもなされなかった場合には売渡請求は効力を失います。

執筆者

幡田宏樹のアバター 幡田宏樹 弁護士・公認会計士

取扱分野
企業法務/非上場株式の売却/支配権問題/相続(遺産分割・遺留分・遺言)/不動産(共有物分割請求・明渡対応・借地非訟)/民事案件一般


虎ノ門パートナーズ法律事務所の特徴

経験に裏打ちされた

解決力

虎ノ門パートナーズ法律事務所に所属する弁護士はいずれも15年以上の経験を有しています。また、案件の内容に応じて、複合的な視点で検討できるように、複数で対応することを原則としています。

専門家集団による

総合力

不動産鑑定士、税理士、公認会計士、社会保険労務士等とLLPを組成して高度に連携しています。同一フロアに各専門家の事務所があるため、緊密に疎通を図ることができ、案件に応じて必要な専門家と連携して対応することもできます。

取扱業務に応じた

専門性

虎ノ門パートナーズ法律事務所に銀行での実務経験を有する弁護士や公認会計士の資格を有する弁護士も在籍しています。取扱業務に応じた専門性を発揮することができます。また、業務を通じて日々研鑽をしています。

費用・方針の事前説明

安心の料金体系

非上場株式の初回法律相談料は無料です。ご依頼をいただく前に原則として方針及び弁護士費用を記載した方針書を作成します。ご依頼をいただく前の段階から十分にコミュニケーションを図り、方針及び弁護士費用を確認のうえご依頼いただいております。