非上場会社株式の経営陣への売却が実現した事例
事案の概要
Aさんは非上場の同族会社X社の同族株主でした。同族会社X社には2つの同族株主のグループがあり、Aさんのグループは議決権の40%台の株式しか有しておらず、同族会社X社の経営は別の同族グループのBが行っていました。近年は同族会社X社は剰余金の分配(配当)もしておらず、会社の経営成績も芳しくなかったことから株式の売却を検討していましたが、同族会社X社やBに応じてもらえなかったため、同族会社X社の株式の売却を求めて相談に来られました。
解決までの流れ
同族会社X社は譲渡制限が設定されていない会社であったため買主となる第三者を見つけることを検討しました。同族会社X社は株券発行会社ではありましたが、現実に株券を発行していなかった株券の発行を請求しました。
株券の発行の請求を行ったタイミングでBから株式取得の打診があったため、まずはBと株式の売却交渉を行うことになりました。双方専門家を代理人として交渉した結果、妥協点を見出し株式の売却が実現しました。
コメント
本件は、同族会社X社に譲渡制限がなくB以外に株式を売却する可能性もあったこと(同族会社X社は近年の経営成績は芳しくありませんでしたが財務的には非常に優良な企業でした)、株券の発行を求めたことで同族株主外への売却を現実的なこととしてBが捉えたことがポイントであったと考えられます。